転載:7月末現在「放射線汚染地図」〜収束なんかしていない

火山地質学の専門家:早川由紀夫さんのブログから、7月末現在の「放射線汚染地図」を転載します。世間では「原発事故は収束方向、早く後始末と復興を」ということになっていますが、実際には勢いが衰えたとは言え福島原発から放射性物質の飛散・拡散は止まっていないし、拡散物質の移動はこれからも続いて、偏在的に放射線量が増加する場所も現れたりするはずです。

2011.08.04 19:00-20:00 / ふくいちライブカメラ (Live Fukushima Nuclear Plant Cam)

ふくしまライブカメラ
2011.08.04 19:00-20:00
※夜になると今でも放射性物質を含む蒸気が立ち上っている様子
(ベント開放となんら変わらない状況が今でも続いています)

 

「爆発する危険は著しく低くなった」というだけの福島原発です。寝た子を起こさないで済ませられる施しだけで、制御できている訳でもない福島原発です。世間がこれほどに楽観なのは、関心を引けるほどのニュース(目に見えるほど突発的な悲惨な状況)にならなくなって、報道されないせいもあるでしょう。


より大きな地図で 福島第一原発から漏れた放射能の広がり を表示

チェルノブイリの立ち入り規制規則にあてはめて考えれば、福島県まるごと100km園内は人が生活するのに適さない地域でもおかしくない状況だとはなかなか報道しないし、いわんや政府は認めないです。経済的、心情的な足かせは不要な気がするのに、その両方がそう思わせたくない、そう思いたくないという流れで、闇雲な復興・希望に縋っているように身えます。 そして少なくとも当事者ではない廻りのヒトは「これなら安全、ここなら安全」という線引きさえあれば日常を楽観ムードで埋めたいと思っているので、これ以上に自分の身に迫る悲観的なニュースをホントは聞きたくない。「地面をはぎ取って除染しないと危険ですよ」と連呼する評論家も所詮は他人事だから、ニュースにならないくらいに偏在的な問題や多少の犠牲はやむを得ない、くらいの頭でしか考えていません。

「汚染拡散のルート上に位置するヒトは気をつけましょう」と言うと風評被害を広めることになるんだろうか。「北風ぴーぷー吹いてくる」季節に何事もなければと思う限りです。

<追記> 8.18 モーニングバード:そもそも総研「そもそも政府は放射能を甘く見てるんじゃないの? 」※Youtube すぐ消えるかもです。

 

2011.08.18 そもそも政府は放射能を甘く見てるんじゃないの?