日々の雑感〜そもそもNHKってなに?〜受信料不払い民事訴訟

NHK技研と放送技術の歴史」より転載

NHKは11月6日、東京都内の3世帯について、受信契約の締結、受信料と不払い割増金の支払いを求める民事訴訟を提起しました。

今回の措置について「払っているヒト」「払ってないヒト」を問わず世間の反発は相当なモンらしいですが、この「受信料」なるもの社会保険料と同じく国会でまともに論議がされたことがありません。ただ「NHKは見てないぞ」「スクランブルかけろ」なんて文句はお門違いであるのも事実なんですが...

そもそも「NHKって何?」を考えてみると... かつての「三公社五現業」とりわけ日本電信電話公社 (電電公社→ 現NTTグループ)みたいなモンだと言って過言ではないと思います。通信分野は電電公社、放送分野はNHKが仕切って運営する国の国策企業(公社)というのが実際です。だから電話権買って固定電話機を設置したら実際に通話しなくても基本料金を電電公社が徴収していた様に、TV買って受像機を設置したら実際にNHK放送を見ようが見まいが受信料は徴収する、というのがNHKの言い分なんです、

NHK(日本放送協会)が2023年5月 17日に行った“受信料制度”をテーマとしたメディア関係者向けの説明会において受信料は「組織運営のための特殊な負担金であり視聴の対価ではない」と言っています。まわりくどい言い方ですがつまりは「TV買って受像機を設置したら実際にNHK放送を見ようが見まいが受信料を徴収する権利がある」と言ってるようなモンです。

さらにこの受信料は「豊かで良い番組による放送を、他社や政府からの干渉を受けることなく自主的に達成出来るよう」に使い、「放送技術分野の基礎から応用まで幅広い研究に取り組み、衛星放送やハイビジョン、8Kなど新しい放送メディアの創造をリード(NHK放送技術研究所)」していく存在であり続ける必要がある、と言いたいのだろう。

 

全部自前で所有するなり所管したいらしい...

 

NHK(日本放送協会)というのは、国会中継や大河ドラマなんかの番組制作だけやってる組織ではありません、通信業界でかつて電電公社が担ってきたのと同様、現在でも放送業界の基幹施設の運営や技術開発、規格策定に巨額を投じる組織です。衛生放送おこなうためには放送衛星を打ち上げなきゃいけません。打ち上げたのはNASDACですが発注者は誰なんでしょうか? 国が税金投入したとは思うんですがかつて運用はもっぱらNHKがやってました。放送事業を所管する総務省も実質業務をNHKに丸投げに近い状況なので小言を言うのが精一杯。民法各社も映像関連各社もNHKに首根っこ抑えられている部分もある?し、持ちつ持たれつの関係なので「受信料」は近寄りたくない話題です。いっそのこと電電公社同様に民営化、B-CASに紐づけして「受像機の放送電波受信料」として徴収する仕組み※にすればスッキリする話にも思えますが、何故かそういう方向には進みません。

※現在のB-CASカードには双方向サービス関係の情報は一切書き込まれませんから電話機のようにID的に視聴者を特定するのには使えないらしいですが、技術的な障壁はありません。

テレビ放送自体の視聴率低下→TV所有率低下が進むであろう未来に「テレビ受信料」だけでやっていけるはずもなく、最近では拡大解釈を総動員してインターネット利用者(実質的な国民全員)からお金をむしり取ろうという方向に向かっています。いまやコンテンツやキャラクタの著作権ビジネスまで網羅するNHKという組織、ジブンには”半グレ公社”にしか見えません。