日々の雑感〜欲深い著作権という過保護な権利

今年からミッキーマウスとミニーマウスのオリジナルバージョンがパブリックドメイン(知的財産権消滅)となり”オリジナルバージョン”のというトコロに注意が必要だが、あらゆるオリジナル出版にも自由に使えるようになった。ベルヌ条約(文学的及び美術的著作物の保護に関する条約)では、ミッキーマウスとミニーマウスは1984年にパブリックドメインになる予定でしたが、1976年に制定された著作権法により、すべての著作権の保護期間が75年に延長され、さらに1998年米議会が著作権の存続期間をさらに20年延長、現在では95年ルールが有効となっている。

現在このバージョンのミッキーは自由に使える!

特許権の有効期限は最大で20年。実用新案権に至っては10年しかその効力を認められていないのに、著作権だけは95年かい? と誰もが首をかしげるなり「不公平だ!」と拳を振り上げたくなる過保護な権利です。おまけに特許権、実用新案権、意匠権については、設定登録時に納付した年分に引き続き、以後の年分の特許(登録)料を継続して納付する必要がるなど、かつてはジブンも拳を振り上げたくなる時期がありました。

黙って寝てても年間1000万円超えの印税がもらえる高橋ジョージさん、作成楽曲の出版に関して印税7%がそのまま貰えるレーベルとの特殊な契約だったこともあり ”夢のある話”として語られる著作権印税ですが、やはり腑に落ちない不公平感が溝落あたりに残りませんか?

とは言え最近「印税あって良かったねぇ〜」と友人の無事を安堵するようなこともありました。
友人はプレイステーションの立ち上がり時期にコナミのゲーム音楽を手掛けており7%の印税支払いを受けることで契約、その後手掛けたゲームが爆発的ミリオンセラーを連発、プレステソフト:3500円の7%印税=245円!これがミリオンセラー連発なのだから当時悪ふざけのような印税額が入金されます。
その後、印税を原資にいろいろ羽振りの良い生活、マンション購入、新しいプロジェクトを立ち上げたりしました。このとき友人が致命的なミスを犯します。「コナミが経営不振だから印税まけてくれって言ってきた」このとき気が大きくなっていた友人は印税を◯%に引き下げる契約をしてしまいます。しかしながら景気の良い時期は長く続きません。コナミもゲーム音楽は自社制作するようになり、音楽ビジネス自体が難しい21世紀となりました。
時代は過ぎ去り友人は活躍出来る居場所を失い、現在は新たな収入もなくニューヨークの片田舎で居候の身らしいです。ただゲーム機が代替わりしたり、新機種が登場したりするとかつてのゲームが移植されますから、何もしなくても印税契約は引き継がれるワケで、まぁ平民が想像する以上の金額を今でも友人は受け取れております。それにしても数十億円の印税はどこに消えたのだろう...