パケット定額制〜iPhone1台で携帯電話96台分のトラフィック占有〜スマホに固定費:月額5,000円の価値があるのか?
日経新聞電子版に「スマホで揺れる定額制、ヘビーユーザー規制を過半数が支持」という記事が挙がった。従来から「2%のユーザーが全ネットワーク帯域の4割を、5%のユーザーが帯域の過半を占めている。一部の人が動画などを大量に使い、残りの90数%の人が迷惑する状況に陥っている (ソフトバンクモバイル:孫正義)」以下、似たような発言がdocomoやauからも出されているのを受けての記事らしいのだが... どうもヘビーユーザーを槍玉に挙げながら、通信事業者が更なる徴収ビジネス展開の布石を打ってるとしか思えない。
そもそもiPhone以下、スマートフォンと呼ばれる機種は勝手に通信はじめてしまうのでユーザーが使おうが使うまいが、アプリをたくさん詰め込んだヒトほどパケット量は尋常じゃありません。だから携 帯通信会社が「パケット代は使おうが使うまいが定額いただきます」と言っても、フツウに楽しいスマホライフをのんきに謳歌する分には「パケット定額」は一見ありがたい話です。
大量のデータを利用するデバイスの台数がモバイル ネットワークで増加中
デバイス | 2009 年の 利用台数 (単位:百万台) |
2010 年の 利用台数 (単位:百万台) |
携帯電話(スマートフォン以外) 何台分のトラフィックに相当するか |
スマートフォン 何台分のトラフィックに相当するか |
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スマートフォン | 399 | 526 | 24 台分 | 1 台分 |
iOS および Android 搭載スマートフォン | 45 | 121 | 96 台分 | 4 台分 |
モバイル接続されているタブレット PC | 0.3 | 3.0 | 122 台分 | 5 台分 |
モバイル接続されているノート PC | 58 | 94 | 515 台分 | 22 台分 |
出典:Informa Telecoms & Media、Strategy Analytics、Cisco VNI Mobile、2011 年
自宅のインターネットや地デジ放送も加えると、世間では「4人家族で月額通信費5万円」はあたりまえらしい。前世紀に比べると生活費に占める割合は突出して高い。もはやかつての携帯電話とも情報端末とも言えないくらい携帯玩具としての機能が盛りだくさんのシロモノですが、ジブンのことは棚に挙げたうえで真面目に考えると、果たしてこんなもん(スマホ)携帯するだけのために(パケット)固定費:5000円を支払う価値があると皆さん思ってるのだろうか。スマホライフをのんきに謳歌するヒトには「パケット定額」は一見ありがたいが、まんまと通信事業者の徴収ビジネスに乗っけられてるだけではないか?
拍車を掛けているのが通信事業者の「お得スマホ転向促進キャンペーン」先日、docomoショップで「スマートフフォンでない機種はどれですか?」と聞いたところ、店員がすぐには解らないという状況だし、そもそもスマートフォンが必要なのかどうか解らないヒトにも「お得ですよ」とオススメしてくれます。「不要でも多機能な割高携帯電話」で「パケット定額料金が取れて」もろもろのオプションでちまちま料金搾取するというパターンです。実際まだ年配とは言えない知人の携帯電話契約は使用実態と掛け離れたものだったので、適正な契約に(不本意ながら違約金も払って)変更したところ月額支払いは半分近くになりました。
パケットを垂れ流す仕組みが必要な時代、利用する時代、搾取する時代になったのだけど、無理やり巻き込まれているユーザーは思いのほか多い...というか膨大な数に登ると思われます。