認められたリーダーシップ 〜 iPadを成功させる土台は出来ている

なんの信憑性も信頼性もない戯言だった先日の「 〜 Appleはまだまだ独走すると思う」の続編になります。 独走するiPhoneを追撃するべく名乗りを上げた Googleの「Android」やMicroSoftの「Windows Phone 7」についてはこのブログでも取り上げていますが、確かに「Android」はフレキシブルで強力なパーソナル・ネット情報端末を構築できる点でiPhoneを凌駕するのでは、と期待させるし、「Windows Phone 7」はこれまでのPC資産をモバイルに展開する高性能エンジンに生まれかわったかな、驚いてみたりします。しかしiPhoneよりも売れるか? と考えると可能性は限りなくゼロに近いと思います。

ただiPhone は携帯電話としては国産機に比べてかなり見劣りする代物である、と皆思っているでしょ? 冷静に眺めれば「ありふれた携帯電話」 + iPhone という使い方がベターだと気づきます。(懐に余裕がある人は既にそういう使い方ですね) いづれにしてもこの端末機をいつどこで使っても楽しい」と思わせることにAppleは成功しました。

そもそもこれまでにスマートフォンを手にしてきた人の想いは「万能手帳」の延長線上にあったに違いないのですが、Appleはさらに実生活(Life)での楽しみ方を積極的に提起しました。どちらかと言えば「万能手帳」という影は控えめに... そしてより万人が支持するいつどこで使っても楽し い」を、初めて実現したんだと思います。そしてコンテンツ・ツールの訴求があやふやで遅れている「Android」や「Windows Phone 7」はまだまだ「万能手帳」の域を出ていません。

すでにiPhoneが一流の携帯電話である必要はない(ローカルな競争に巻き込まれる必要がない)し、Appleは従来のスマートフォンというジャンルにさえ留まる必要を感じていないでしょう。外野の住人があれこれ技術評論しても、Appleの独占的支配形態を非難しても「いつどこで使っても楽しい」を確立させたAppleのリーダーシップをより多数の人が支持している、という事実こそが大事だと気づくべきです。

iPadの登場を「タブレットPC」にジャンル分けして比較してみたり、「e-Book」端末の派生種と見立てる事が如何にナンセンスかお解りでしょう。 さらに万能な機能を搭載して高速動作する「タブレットPC」は容易に製造されるでしょうが、ノートPCに対するアドバンテージを考えるのは容易ではありません。 カラー液晶でなければ「e-Book」は20年前に既に存在しましたが誰も欲しませんでした。

iPadはどうか。iPadは「いつどこで使っても楽しい」を少しだけ大きくしました。でもこの「少しだけ大きく」は、iphoneを使ったことがある人には「かなり大きな恩恵」に思えるでしょう。 何度も挫折したり軌道に乗りにくかった「e-Book」も、iPadの土俵の上でならブレークする可能性が非常に高いと想像できます。