海馬が一般人よりも2倍位大きい〜脳には別段異常はないんだけどね...

「私はアホの子かい?」とはウチのつれあいの口癖になっているのですが、とにかく物忘れが多い、というよりも関心のないことは聞いてるそばから忘れていくらしい。中耳炎の術後経過がおもわしくなかった頃心配になって脳神経外科でMRIを撮ってもらったことがあります。そこでMRI画像フィルムを光にかざしたお医者さんが、「おおっ...?」と身を乗り出して画像に寄ったのを見てつれあいはたいそう心配になったそうです。 「...大丈夫でしょうか?」とつれあいが尋ねると「脳には別段異常はないんだけどね...海馬がね、普通は男性の方が大きいんだけど...あなたのはその2倍位大きいよ。初めて見たね!」と驚いていたそうだ。


 健忘症は突然記憶ができなくなる病気ですが、海馬が責任病巣と言われています。ウチのつれあいもその口か?とも考えられますが、アルコールに弱いと言われる海馬を痛めつける程のんべぇというわけでもなく、常人なら記憶も無い赤ん坊の頃の情景記憶がちゃんとメモリーされてたりします。

海馬の神経回路は「三シナプス性回路」と言われ、感覚情報の多くが通過する嗅内皮質が海馬の三シナプス性回路のスタート地点と考えられています。ここで思い当たるのはウチのつれあいは常人の数倍は「鼻が効く」んです。実際に嗅覚の発達と嗅内皮質ー海馬の成長という短絡的関係は無いんですが(笑)嗅覚と記憶形成の関係は研究されていたりします。

海馬は「記憶の仕分け係」とも言われますが、短期記憶、長期記憶、長期持続性記憶という記憶分類のうち、ウチのつれあいが苦手とするのは短期記憶(ほんの数秒から数分前の事柄に対する記憶)に分類されるもので、最近の研究ではこの短期記憶はワーキングメモリーと言われる部位連携に依存するもので、海馬とは直接関与しないらしいです。

じゃあなんで海馬が2倍も大きいの?

海馬にまつわる専門の研究レポートを読んでいくと、ウチのつれあいのエピソードに関連するような(?)なかなかに興味深いお話がいっぱいありますが、実のところシロウトの見立ててでは単なるおもしろおかしいお話にすぎません。ですから結論としては

アンタは棚上げしてることが多すぎるんだよ
海馬も仕分けに困って大きくなったに違いないよ!

ということにしています。