さらば青春の光〜昭和40年男〜ジブン物語は続きます
さらば青春の光〜布袋寅泰
還暦過ぎの笑えないお笑い番組に興味がないジブンにとって「さらば青春の光」は90年代の布袋さんの歌や萩原健一の中年オヤジ像しか記憶にありません。
10年前の2009年に創刊されたぶん現在も新刊されるであろう「昭和40年代男」という雑誌(3ヶ月間隔で最新刊は5月号)本屋に行くとなんとなく手にとってペラペラめくることが多いのですが、既に既刊60冊を超えてネタ切れで夕暮れ時を描くしかなくなったのか、購読層を10歳若返らせて昨年「昭和50年男」も創刊されました。「1975年生まれ、80年代育ちの全男子に贈る!」という副題は、「昭和40年男」が「1965年生まれ、70年代育ちの全男子」に向けられたのと同じです。
ジブンは1958年生まれなので「昭和30年男」と呼ばれる世代にあたるやもしれないですが、十代を通してずっと1970年代を生きた者としては、1965年生まれよりもずっと濃いエキスを満喫してきたと思うし、言えば「昭和40年男」自体が実際のトコロ1960年代中盤から1980年代前半にかけての記事なのだから、ジブンにとってまさに青春どまんなかの記事に溢れていました。
しかしながらそんな偉そうなことを垂れた割にジブンが実際に購入した「昭和40年男」はわずか数冊に過ぎません。
社会人になって仕事の関係で50代になっておられた岡田奈々さんに会う機会をいただき、若い頃と変わらない輝くオーラにずっとドキドキしていたのが忘れられず、連載インタビュー「アイドルを追え!「岡田奈々」」記事に惹かれてふらふらレジに向かって購入。まさに同い年のアイドルがいまもかくも美しいかと驚嘆したものです。
60年代中盤の少年誌に掲載されていた21世紀の未来、60ページを超えるパストフューチャー〜俺たちの憧れた未来〜の特集記事に掲載されたイラストは、いまでは失われた独特な懐古タッチに溢れていました。
ウルトラQ(1966)〜ウルトラマン〜怪奇大作戦〜ウルトラセブン(1968)...ふりかえって考えるとジブンが面白く視聴できたウルトラシリーズというのは、いわゆる昭和第1期ウルトラシリーズの2年間に過ぎなくて、1970年代の仮面ライダーシリーズも1号本郷猛の頃しか記憶が...子供らしい世界観で観続けるのは難しくなっていました。
社会人になってしばらく経った1996年、Windows95の爆発的ヒットを受けて、当時ジブンはPC向けマルチメディアコンテンツの企画プロデュースをしておりました。その頃ちょうど円谷プロと制作ライセンスを交わしてスクリーンセーバーを制作・販売しており、たびたび円谷プロにお邪魔する機会がありました。当時はまだ建屋が幼稚園のままで堅苦しい雰囲気もなくざっくばらんにいろんなウルトラシリーズの話をお聞きしたもんです。前述の話もこっそりしたことがあったんですが...まぁ再開当時はいろいろあったそうで、面白可笑しゅうございました。
90年代中盤布袋さんの「さらば青春の光」が世間に流れていた頃、40代に差し掛かったジブンには最終コーナー回ったランナーへのシュプレヒコールに聞こえたモンです。おかげでもうずっと以前にジブンの青春時代なぞ終わってしまっているのは察しておりましたが、それをちゃんと受け入れるのには更に10年くらい掛かった気がします。
「人生100年時代」だとそそのかされて走り続けるのはしんどいモンで、たまには青春時代を回顧しながら人生立ち止まってジブン物語の章立てを考えてみるのもいいモンです。既にジブン物語のクライマックスは書き終えた気分で生きておりますが、”まだやれるコトはないだろか”くらいに肩の力抜いて歩いていこうと思います。