ゴジラ -1.0 〜よく出来た嘘物語は心地よく泣ける〜

12月に入って海外でも絶好調と言う山崎貴監督作品「ゴジラ -1.0 」ジブンとしては久々によく出来た嘘物語、心地よく泣ける日本映画でもあります。オタク評論家いっぱいなネット上では「シン・ゴジラは超えてない」とか宣う声も当初あったんですが、もはやそんなオタクはオタクでしかないと嘲笑されるくらい全世界でヒット中のコンテンツ「ゴジラ -1.0 」です。

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ジブンには「まんま親父ギャグにしか観れない」とブログにも書いた庵野秀明氏脚本・監督「シン・ゴジラ」〜世界的にはダダ滑りだった理由、「ゴジラ -1.0 」が大ヒット中の理由をオタク解説するとこうなるらしい。

ただそんな能書き垂れる意味は無いことはとっくにわかってるはずだろうに...

山崎貴監督は「ゴジラ -1.0 」でベタベタな設定と”永遠の零 -ZERO-”ばりな終局を用意したのが良かった。人間模様は薄味ながら物語としては凄くわかりやすいのがいい。所詮人間愛なんか説教たれる類の話ではないし、ディテールを説明口調に画に盛り込むオタク手法にはまってないのもイイ。オタクが”嘘くさい”と感じてしまうモノの真逆にあると錯覚して演出する”リアル”には実のところ面白みも感動も涙もありません。

 

2023.12.28追記
「ベタベタな設定」どころか目からウロコな「よく出来た」リアル設定だった

現代ビジネス記事「じつは「時代考証」の観点から見ても「ものすごい映画」だった」を拝見して、「ベタベタな設定」と評したジブンに苦笑いしかありません。改めてもう一度映画館に足を運ばねばなりません。

 

実のところ庵野秀明氏の「トップを狙え!」は嫌いではない、どころか今観てもよく出来た当時のエポックメーキングな作品に思えます。”女性アイドルキャラな主人公”、”オタッキーなSFディテール”、”ギャグ満載なスポ根とシニカル” けっこうクラクラする設定に没入感を与えてる演出に拍手喝采なのであります。

庵野さんは何を想ったのか「エヴァンゲリオン」では妙なリアルと人間臭さを濃いめに持ち込んで世間的、興行的に成功しメジャーなファンを獲得します。しかしながら所詮は嘘物語な世界に意味を持たせようとあがいて続編を描きますが... 中途半端に面白くもない終焉しか描けてない(とジブンには思えるんですが...)

そんな「シン・シリーズ」ですから迷走の連続であっても不思議でないと感じております。

 

震電だぁ!

個人的に刺さったのがゴジラとの最終決戦兵器ばりに「震電」が登場するくだり。
ことわっておくと戦時オタクでもありませんが、大昔の幼少期に望月三起也さんが描いた素晴らしくカッコいい戦闘機「局地戦闘機:震電」が、地元福岡で終戦直前まで開発され、近所であった板付空港(現:福岡空港〜戦時当時:席田飛行場)を飛んでたと聞かされておりましたから、子供心にワクワクしながら空を見上げておりました。

望月三起也、戦闘機シリーズ「震電」昭和39年 作品

この後、望月三起也さんの「ケネディー騎士団」でも「ペガサス号」として前翼型機体形状のジェット機を描いておられました。

昭和41年 ケネディー騎士団

 

聖地巡礼!

昨年7月に地元の福岡県朝倉郡の筑前町立大刀洗平和記念館に震電の実物大模型の展示が始まったのはニュースで知っておりましたし「東京の映像制作会社が製作した実物大の模型」というアナウンスも聞いておりましたが、当時はまさか翌年に発表される「ゴジラ -1.0 」の撮影大道具だったとは気づきもしません。

今後はきっと世界中から”聖地巡礼”に震電を見上げに来る観光客が押し寄せるに違いありません。