持ち家世帯の年収・年齢 〜 政府統計から埼玉県のばあい

仕事の依頼のなかには「政府統計資料の分析」みたいな面倒くさいこともありますが、基礎データがあることなのでただ面倒くさくて時間がかかるだけで、ワタシにとっては楽な仕事の部類に入ります。 仕事の途中で脱線しておもしろい資料をみつけて暇つぶしすることもままあります。そのなかでも「独立行政法人 統計センター」e-sTat には興味深い資料がいろいろ揃っています。

昨年、総務省・統計局「平 成20年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約」から、全国の持ち家比率は 61.2%、同家計調査から割り出した住宅ローン平均返済額は年間125.4万円、というののを引っ張り出してきましたが、今回は埼玉県に絞って詳細を見てみます。  具体的には「平成20年住宅・土地統計調査  > 確報集計  > 都道府県編(都道府県・市区町村)  > 11埼玉県 」の表番号40の統計から、持ち家-借家の比率と年収、各世代との相関をグラフ化してみました。

持ち家比率は全国平均より10ポイントほど高く、世代別に見ると45歳以上では75%以上が持ち家世帯です。これを年収との関係でグラフ化してみると

1:年収100万円以下、2:年収100-200万、3:年収200-300万円
4:年収300-400万円、5:年収400-500万円、6:年収500-600万円
7:年収600-700万円、8:年収700-800万円、9:年収800-900万円
10:年収900-1000万円、11:年収1000-1500万円、12:年収1500-2000万円
13:年収2000万円以上

 単純に眺めると割と年収低い世帯でも持ち家数が多いなぁ...とのんきな気分になりますが、実態はそんなに甘くないし当然と思えるのが、世代別にグラフ化してみると解ります。

 さすがに25歳未満、25-34歳未満で年収400万円未満では、持ち家比率が低いのは頷けます。35-44歳未満では独身/既婚者で判断が別れる世代なのかなぁ、とも想像できます。 65歳以上の年金受給者世代では低年収であたりまえです。 そして45-54歳未満世帯の世代グラフはなにおか言わんです。若い世代の話としてではなく、50歳位を境に年収格差は顕在化しているように見えます。

これは現在の世代間状況です。ぼーっと眺めていると世代推移グラフのような気になってきますが、このまま各世代の年収分布がスライド推移する、あるいは将来は凹グラフのように2極化する、ということだって考えられる現在の世相です。しかし持ち家のために長期ローンを組むには、年収400万円の壁を突破しないと難しそうなんだなぁ、というのが実態みたいですね。