APPLE MUSIC 国内サービス開始〜旧態音楽産業のリストラ終了〜Happyが始まる時代か?

アップルが7月1日、定額制の音楽ストリーミング配信サービス「Apple Music」を日本で開始したのはご存じの通り。月額利用料980円(個人メンバーシップ)が安いか高いかと問われれば、生活のなかに音楽の存在が薄くなって久しいジブンには無用なサービスと思えます。なにより聞きたい曲がiTunesにも無いことの方が多いのです。

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以前は、日本版Spotify上陸を画策していた旧態音楽業界人達も各メジャーレコードメーカーに根回ししながら頑張っていたようですが、前世紀の日本的な解決方法で話し合われてても拉致があかない...ということでサービス開始されておりません。ただこの10年間で音楽産業のなかにあったビジネスモデルも崩壊していったので、もはやかつての音楽産業利権体制に抵抗する余力はなかった、というよりも沈みゆく船にしがみつく老人がいなくなって若い業界サラリーマン世代がサバサバした気分でAPPLE MUSICやLINE MUSICを受け入れています。

いまやヒット曲一発で濡れ手に泡のように稼げる時代は去り、レコード〜CD売上で巨万の利益を揚げていた会社組織も”メジャーレコードメーカー”という言い方が適当ではない程シュリンクしてしまいました。もはやかつてのブランドネームの実態はそんなモンです。

1997年、CD生産・売上のピーク時に旧態音楽産業最後の大物が席巻しました。小室哲哉&エイベックスの勃興です。マンションの一室を事務所に段ボール箱に万札を放り込んでは、わしづかみに支払いに廻すほどてんてこ舞いにのし上がったエイベックスという会社、驚嘆すべき音楽才能がありながら社会常識と事業通念には疎すぎた小室哲哉というコンビの興隆〜没落こそが、旧態音楽産業の最後の輝きだったと言えます。

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90年代後半、まだ余力を残していた老舗レコードメーカーの勤め人時代のジブンのところに、 サムソン電子の旧知から「シリコンMUSICプレイヤー」が持ち込まれる。前後して登場する「MP3オーディオ」規格を使った超小型音楽再生機です。2001年 iPodが登場する3年前のお話だが既にPCベースでの圧縮・再生プログラムは存在していたし、研究所ではMO(光時期ディスク)レコーダーなるものにPCM記録する際のオプション設定としても検討されていました。サムソン電子は主力とするフラッシュメモリー生産の派生新規事業として展開するつもりで、事業責任者の旧知が日本でのパートナーを探しにやってきたというワケです。

しかしながら音楽利権の先頭を走っていた老舗レコードメーカーであります。将来性をくどくどプレゼンテーションしても役員クラスのニンゲンが頷くことは無かったのは言うまでもありません。その後サムソン電子は”世界初のシリコンMUSICプレイヤー”を登場させますが、現在ほどSAMSUNのブランド力があるわけでもなく、MP3規格の圧縮伸張アルゴリズムに関わる訴訟問題でゴタゴタしながら21世紀を迎えます。そして apple iPodが登場して現在に至るというワケです。

 

 

tc

http://www.tunecore.co.jp/

いまや誰もが世界に向かって音楽配信できる時代、元手もほとんど掛かりません。CDパッケージも盤だけだったら@30円で製作できてしまいます。誰でもそこそこ活動できるインフラ環境も昔よりずっと身近になりました。これでみんなHAPPY〜♪ なんでしょうか....

1984 Apple's First Macintosh Commercial

様々な分野で前世紀末に掲げたメインストリームのレジームチェンジは成ったような気がしますが、それはそれで味気ないモンです。政治の世界はもう半歩先を行ってて”レジームチェンジに失敗”した虚無の成り行きに関心が胡散無償している状況。全く他人事ではありますが、果たして音楽はいま熱いのだろうか....