もうひとつの塗工屋稼業〜DENONオーディオカセットテープ

 

1983年春、同期入社4人組のうちジブンを除いた3名はオーディオカセットテープの開発設計チームに配属され、いわゆるDXシリーズ以降のDENONカセットテープの製品作りに、アナログオーディオブームのピークとなる90年代、そして会社解散の晩年まで製品造りに邁進することになりました。とりわけいつも威勢の良い応援部出身のウルメくんは仕事熱心さで言えば図抜けた存在であり、次世代を背負う気満々で仕事をしていたように見えました。オジマくんは2歩くらい後を追っかけるでもなく言われた仕事を要領良くこなすのに腐心するタイプ、ハヤサカくんは本流と離れたメタルテープ屋の親父に弟子入りしたみたいな境遇をサラリーマン然と受け止めていたように見えましたが、メタルテープ開発終了となってからデザイン設計にジブンが引き入れてMacintoshオタクにハマり非凡な才能を発揮したモンです。そんな同期の活躍、挫折、奮闘を脇目にジブンは一時期開発停滞で ”お荷物”と揶揄されたフロッピーディスク開発設計チームで起死回生の奮闘を続けておりましたが、言うほど熱く物事語った記憶はなく「給料貰ってる分しっかり働きます」的な態度のいけ好かない若造だった気がします。

そんな同期入社3名が属したオーディオカセットテープ開発設計チームの塗工屋稼業の履歴がこちらです。

 

ステレオ時代編集部:カセットテープコンプリートブックより抜粋