mac mini のモニター接続ガイド 〜ビデオ出力ポートの仕様と変換アダプタ対応表

Mac miniのビデオ出力ポートについて押さえておくべきポイントをまとめてみました。

歴代mac mini モデルと映像出力仕様

2010年以降のMac miniモデルの映像出力仕様を、発表当時のアップル技術資料及び関連資料から一覧にしました。

アップルのスペック説明はいつも不親切というか、随所に意図的に曖昧にしてある部分があり、映像出力ポートの説明もそのひとつ。OSやドライバーのアップデートで仕様が変わる可能性がある...ためなんでしょうが、随時詳細説明もアップデートして欲しいところです。

リリースモデル
(技術仕様LINK)
GPU ビデオ出力ポート(最大解像度)
    HDMI Thunderbolt
MiniD.P
Late 2020 M1
mini1

技術仕様
Apple M1
※e-GPUサポート無し
※最大2台のディスプレイを同時サポート

HDMI2.0対応
4K、4,096 x 2,160ピクセル解像度、60Hzに対応

6K解像度、60Hzのディスプレイ1台

USB-C経由でDisplayPort出力に標準対応
※Dock経由でのマルチビデオ出力に非対応

Late 2018

技術仕様

Intel UHD Graphics 630

最大3モニター同時出力に対応

HDMI2.0対応

1台接続時(4K)
4,096 x 2,160ピクセル解像度、60Hzに対応

USB-C経由でDisplayPort出力に標準対応、

1台接続時(5K)
最大表示5,120 x 2,880ピクセル解像度、60Hzに対応

1台接続(MST)
最大表示4,096 x 2,304ピクセル解像度、60Hzに対応

最大2台接続(SST)
最大表示4,096 x 2,304ピクセル解像度、60Hzに対応

Late 2014
mini1

技術仕様

Intel HD Graphics 5000
仕様

Intel Iris Graphics

HDMI1.4準拠
1080p
(1920×1080:60Hz)
〜FullHD

1440p
2,560 x 1,440 (60Hz)
〜WQHD

【4Kサポート】
3,840 x 2,160 (30Hz)
4,096 x 2,160 (24Hz)

※HDMI-DVI 変換アダプタにて
1,920 × 1,200 (60Hz)
〜WUXGA →解説

※Single Link DVI
2048×1536
〜QXGA

※MDP-WLinkにて
2,560 x 1,600
〜WQXGA
〜WQHD

Late 2012
mini1

技術仕様

Intel HD Graphics 4000
仕様

1080p
(1920×1080:60Hz)
〜FullHD

※HDMI-DVI 変換アダプタにて
1,920 × 1,200 (60Hz)
〜WUXGA →解説

※Single Link DVI
2048×1536
〜QXGA

※MDP-WLinkにて2,560 x 1,600
〜WQXGA
〜WQHD

Mid 2011
mini1

技術仕様

Intel HD Graphics 3000
仕様

1080p
(1920×1080:60Hz)
〜FullHD

※HDMI-DVI 変換アダプタにて
1,920 × 1,200 (60Hz)
〜WUXGA

※Single Link DVI
2048×1536
〜QXGA

※MDP-WLinkにて2,560 x 1,600
〜WQXGA
〜WQHD

Mid 2010
mini2

技術仕様

NVIDIA GeForce 320M

1080p
(1920×1080:60Hz)
〜FullHD

※HDMI-DVI 変換アダプタにて
1,920 × 1,200 (60Hz)
〜WUXGA

※Single Link DVI
2048×1536
〜QXGA

※MDP-WLinkにて2,560 x 1,600
〜WQXGA
〜WQHD

Late 2009
mini3

技術仕様

NVIDIA GeForce 9400M

-

※Single Link DVI
2048×1536
〜QXGA

※MDP-WLinkにて2,560 x 1,600
〜WQXGA
〜WQHD

 

Late2020モデル M1 のモニター接続仕様

 

最大2台のディスプレイを同時サポート
Thunderbolt経由で接続した最大6K解像度、60Hzのディスプレイ1台と、HDMI経由で接続した最大4K解像度、60Hzのディスプレイ1台
HDMIポート-HDMI(ディスプレイ側ポート)もしくはHDMIポート-(HDMI-DVI 変換アダプタ)-DVI(ディスプレイ側ポート)で接続した場合の最大解像度は4,096 x 2,160ピクセル解像度、60Hzに対応しています。※macOS 11.0.1 Big Surでデュアルディスプレイの不具合報告があるので最新macOSへのアップデートをオススメします。

HDMI to HDMI接続 

HDMI to DVI接続 

Thunderbolt3対応 USB-C to HDMI接続 

DisplayLinkの拡張ディスプレイアダプタ接続
DisplayLink Managerを介して4K-2画面ディスプレイへビデオ出力、M1 mac miniでトリプルディスプレイ化したい場合に利用できます。

※HDCP非対応

※2021年12月22日、英DisplayLink社では外部ディスプレイ1台という制限のあるApple M1チップ搭載のMacで2台(Mac miniは3台)以上のマルチディスプレイ環境を可能にするDisplayLinkチップ搭載のグラフィックアダプタ用のユーティリティ「DisplayLink Manager v1.6.0」をリリースし、ディスプレイの回転をサポートしたと発表しています。

HDMI/DisplayPortを2ポートずつ搭載し、最大2台の4K(3840×2160)@60Hzが接続可能

 

Late2018モデル(Intel mac) のモニター接続仕様

 

HDMIとThunderbolt3の2ポートを使って接続できるモニタは最大3台までです。※Late2018 mac mini マルチ映像出力に関するアップルの公式発表はコチラ

正式にHDMI2.0対応を謳いました。HDMIポート-HDMI(ディスプレイ側ポート)、HDMIポート-(HDMI-DVI 変換アダプタ)-DVI(ディスプレイ側ポート)接続した場合の最大解像度は4,096 x 2,160ピクセル解像度、60Hzに対応しています。

HDMI to HDMI接続 

HDMI to DVI(変換アダプタ)接続 

Thunderbolt 3 to DisplayPort(変換アダプタ)接続

Thunderbolt 3 to VGA(変換アダプタ)接続

Thunderbolt 3 to DVI(変換アダプタ)接続

Thunderbolt 3 to VideoDoc接続4K(SST)デュアルディスプレイを設置する場合は「CalDigit Thunderbolt 3 mini Dock Dual HDMI 2.0 」USB-Cドックを使うとThunderbolt 3ポート1つでデュアルディスプレイを接続できます。

 

Late2014モデル のモニター接続仕様

 


非公式にHDMI1.4準拠となりました。HDMIポート-HDMI(ディスプレイ側ポート)接続した場合の最大解像度は、アップルでは1080p(1920×1080)〜フルHDと発表していますが、同時に【4Kサポート】仕様のせいなのか(→HDMIと4Kの関係)、実際には1440p(2,560 x 1,440 60Hz)〜WQHDでも利用できる事例が複数挙がっています。また【4Kサポート】については、30Hz駆動表示なので実際的なデスクトップ作業には向かないと考えるのが得策です。
HDMIポート-(HDMI-DVI 変換アダプタ)-DVI(ディスプレイ側ポート)接続した場合の最大解像度は、WUXGA(1920×1200)になります。

Thunderbolt(MiniDisplayPort)経由のシングルリンクDVI出力での最大解像度はQXGA(2048×1536)です。これ以上の解像度-WQHD(2,560 x 1,440)以上の高精細ディスプレイを利用するには、デュアルリンクDVI出力(Mini DisplayPort - Dual-Link DVIアダプタが必要)で接続することになります。

アップルの「Mini DisplayPort - Dual-Link DVIアダプタ」については不具合報告が多いのでカスタマーレビューの参考をオススメします。特にUSB給電不足と思われるマイナートラブルは結構多発するようで、給電専用に高アンペアのUSB電源アダプタを直結する等の対策も一考のようです。

基本的に、1080p(1920×1080:60Hz)〜フルHD解像度のディスプレイを利用される場合は、HDMIポートの利用がベターです。

USB3.0での接続仕様

Apple非公認ながらDisplayLink社のチップを搭載したアダプタを介してUSB3.0ポートから映像出力を取り出せる製品があります。

 

Late2012モデル/Mid2011のモニター接続仕様

 

モニターへの接続方法としては下記の3系統があります。
但し HDMI/Thunderboltの各ポートを使って接続できるモニタは最大2台(2560x1600ピクセル)までです。


HDMI(mini)
ポートを使う

最新規格バージョン1.4のビデオデバイスと高解像度オーディオデバイスの接続にに対応しています。
■TVへのHDMI接続で最大 1080pに対応します。
■DVI・VGAディスプレイへ変換ケーブルや変換アダプタを利用して接続する場合、最大 1920x1200 の解像度に対応します。
■オーディオ出力については、8 チャネルの192kHz/24 ビットオーディオ、ドルビーサウンド 5.1、およびステレオをサポートします。※Mac mini (Mid 2010 以降)1Thunderboltポートを使う

モニター側
ポート仕様
 
HDMI
DVI-D
VGA(D-sub)

 
HDMI (mini) ポートによる オススメ接続

  • ディスプレイ側にHDMIポートを持つ場合は、HDMI to HDMI接続をオススメします。HDMIケーブルは最新規格バージョン1.4対応のものを選択しましょう。

    HDMIケーブルは耐シールド性を高めるため太くなりがちで、取り回しにおいてmac miniのHDMIポートに負担が掛かって接続不良を起こしたり、ポートから外れ易かったりします。購入に際してはレビュー等を参考になるべく”柔らかい”ものをオススメします。

  • ディスプレイ側にHDMIポートが無く、DVIポートがある場合
    ディスプレイ側のDVIポート規格を十分確認の上、適合する HDMI-DVI変換ケーブルを使用してください。
  • ディスプレイ側にHDMIポートが無く、VGAポートしかない場合
    デジタル-アナログ変換器(アダプタ)を介してアナログRGB信号をディスプレイに伝送します。HDMIやDVIに比べて電気的ノイズやアナログ信号のひずみなどの影響を受けやすいと言われていますが、イチバン歴史が古く互換性の高い接続方法です。
  • HDMI接続したディスプレイの表示調整
    Apple () メニューから「システム環境設定」を選択し、さらに「表示」メニューから「ディスプレイ」を選択します。

    画像が画面いっぱいに表示されるまで「アンダースキャン」を調整します。
  • HDMI接続したオーディオの設定
    システム環境設定で、「サウンド」を選択します。「出力」タブをクリックし、リストから HDMI デバイスを選択します。

Thunderbolt
ポートを使う

■Thunderbolt対応ディスプレイに接続する場合表示解像度 最大2560 x 1440 に対応します。Apple Thunderbolt Displayでは2台をデジーチェーン接続できます。

■Mini DisplayPortとして機能します。
Dual-Link DVI(バスパワー)変換時:表示解像度 最大2560 x 1600 に対応。


DVI-D変換時:表示解像度 最大1920 x 1200に対応。
VGA変換時:表示解像度 最大1920 x 1200 に対応。
HDMI変換時:表示解像度 最大1920 x 1200 に対応。
DVI / VGA / HDMI ポートへののマルチ変換アダプタ

下記補足「Thunderbolt (MiniDisplayPort)ポートによるディスプレイ接続」参照

USBポート
を使う

アップルの正式サポートはありませんが、サードパーティー製変換機(アダプタ)を介してモニター出力が可能です。

下記補足「USB ポートによるディスプレイ接続」参照

接続ポートの選択とマルチモニター化

モニター接続用ポートの選択はメインモニターの種類によって異なりますが、大まかには次のとおりです。

<Thunderbolt対応モニターを使う場合>
Apple Thunderbolt Display(27')等モニター側にThunderboltポートを持つ場合は、mac miniのThunderboltポートからThunderboltケーブル 1本でのシンプルな接続になります。最大2台をディジーチェーン接続できます。

<それ以外のモニターを使う場合>
メインモニターとして接続する場合はHDMIポートを使います。
デュアルモニター化する場合は、サブモニター用にThunderboltポートからMini DisplayPort変換アダプタを介して接続します。

VGA(D-sub)は、イチバン歴史が古く互換性の高い接続方法ですが、アナログRGB信号として扱うためHDMIやDVI等のデジタル信号伝送に比べて、ケーブルが電気的ノイズやアナログ信号のひずみなどの影響を受けやすいと言われています。なるべく影響の少ないHDMI・DVIポート仕様を優先利用することをオススメします。

USBポートから変換アダプタを介してモニター出力を取り出すことでトリプルモニター化することも可能ですが、アップルのサポート外の仕様でありOS対応は変換アダプタ提供メーカーによります。

USB ポートによるディスプレイ接続

本体側
ポート
モニター側ポート仕様  

USB2.0/3.0ポートを使う
HDMI
&
DVI-D &
VGA(D-sub)
&

 

※注:この製品は国内販売サイトによればMac非対応ですが、メーカーサイト(DisplayLink社)情報によれば専用ドライバーをインストールすればMac対応となるようです。
ドライバー配布サイト:http://www.displaylink.com/support/mac_downloads.php

Mini DisplayPort to HDMI2.0アクティブ変換アダプタ

Late 2012以前のモデルでは、
WQHD(2,560 x 1,440)解像度のディスプレイへの接続は「Mini DisplayPort - Dual-Link DVIアダプタ」を使うとされていますが、サードパーティー製のHDMI2.0変換アダプタを利用することで、WQHD〜4K解像度ディスプレイに接続出来るようです。

不具合報告が多く高価な「Mini DisplayPort - Dual-Link DVIアダプタ」を使うよりも、WQHD対応ディスプレイ側にHDMI入力端子を持つ製品には最適やもしれません。

Late 2012 / Mid2011で 封印されているHDMIポートの開放

Late 2012モデルでは、Mac mini EFI ファームウェア・アップデートv1.7を掛けないとHDMI接続でモニターのチラツキが発生することがあります。Mac mini EFI ファームウェア・アップデート v1.8ではスリープ解除後のトラブルに対応。

Mid2011モデルでは、※Mac mini EFI ファームウェア・アップデート 1.4Mac mini EFI ファームウェア・アップデート 1.6で、固有の問題を解消しています、

Late 2012 / Mid2011モデルで搭載されているGPU(Intel HD Graphics 4000/3000)は、ベース性能としてはWQXGA(2,560 x 1,600)を表示できるはずですが、HDMIポートに限っては制限(165 pixcel clock limiter)がかけられ1080p(1920×1080:60Hz)〜フルHD解像度までしか出力出来ません。

この制限を取り払ってオーバークロックで動作させるためのパッチウェアが「 mac-pixel-clock-patch」で、解放後はHDMI-HDMI接続でWQXGA(2,560 x 1,600)表示に対応し、条件によっては4Kディスプレイ表示が可能となります。ただし複数ディスプレイを接続した場合や、画面設定の状況によっては動作が不安定になることがあります。あくまでアップルの動作保証外での利用になりますので、自己責任の範囲でお試しください。

最新版「mac-pixel-clock-patch-V2」は下記で入手出来ます。
https://github.com/Floris497/mac-pixel-clock-patch-V2

更に 補足すると
Mac OS X 10.11 El Capiptan以上を使われているユーザーはセキュリティー強化のために導入されたSystem Integrity Protecton (SIP)機能を無効化しておく必要があります。

【SIPの無効化】

・リカバリモードで起動する
  (command + r を押しながら起動)

・ユーティリティ -> ターミナルでコマンド入力
   「csrutil disable」と入力後、再起動で無効化されます。

【SIPの有効化】
 再度有効化したい場合は、上記操作のターミナルで
「csrutil enable」と入力後、再起動で有効化されます。