日々の雑感〜AI だってデータベースに過ぎない、のだが...

一昔前にGoogleに次ぐ第3世代型として「人の使う自然言語を解析して、最適検索結果を提供」する検索エンジン開発の裏側で仕事をしていた頃、AI の開発も並行しておこなわれていました。

結局「Qrobo」は陽の目をみることはありませんでしたが10年後、OPEN AIから2019年2月に文章生成AI「GPT-2」が世に提示され、2020年にバージョン3となるや ”これは使える!”と色めき立った輩が世間に喧伝しまくって、司法試験合格レベルの答案をひねり出すレベルのバージョン4が先日リリースされるや ”これ以上の進化はやばくない?”とばかりに各国各方面で利用にSTOPが掛かり始めています。※

※米:AIデジタル政策センターがGPT4の商業利用の差し止めをアメリカ連邦取引委員会に要請

「AIが最適解を導く」と言っても一定のビッグデータから”それらしい”要素を引っ張り出して擬人化文章に仕立てているワケで、ビッグデータという選択的解要素の器(データベース)の量と質次第という意味ではコンピュータの箱物語と大差ないとも言えます。

だからいまのところ用意するデータベース次第で”AIが間違ったことを言う”はあっても”AIが嘘をつく”ことはないはずです。器の枠組みを取っ払ってAI自体がネット世界を自在に検索出来る状況を作ったらどうなるか? 果たして”最適解”にたどり着くのかけっこうに疑問だったりしますが、そんな事さえ突破するアルゴリズムも既に準備されているのやもしれません。

そもそも最適解とされるモノが果たして”正しい”のか判断するのはヒトです。残念ながらと言うか現実では、民主主義的な基準解が”正しい”と判断されるとは限りません。全ての判断の基準はさらに言えば一握りの人達の都合を忖度された解が”正しい”とされる場合が往々にして存在します。

AIが引き起こす「文明破壊」に警鐘

実のところ民主主義的な基準解が”正しい”と判断されるコトに都合が悪いと考えるヒトは沢山います。世界の半分は民主主義的な基準解を ”理不尽”と感ずるヒトかもしれません。だからそんなヒトはちゃんと自分達の意見を忖度してくれるAIを作ろうとしたりするでしょう。つまるところAIは神の採択には程遠い妄言しか吐かないシロモノになるやもしれません。いまのところ「賢そうなヒトが薄ら甘いそれらしいコトを吐けば説得力を持つように聞こえる」のと同列くらいに考えてて疑ってかかるくらいで丁度いいんではないでしょうか。

70年代を素直に楽しめたジブンとしては、近い将来、私達はAIのサポート無しには情報の信憑性を見分けられないしネット情報にアクセスするのも難しくなるやもしれません。そのときはそれぞれが個人情報を託して外部の驚異に抗うパーソナルなAI-ガーディアン・ナイトを相棒に生活することになるのかもしれません、とか想像しています。

それにしても設立当初の志が揺らぎ始めたかに見えるOPENAIの今後にも注目です。