カングー 6速EDCデュアルクラッチって何?〜大丈夫なの?

先日カングーに新しく追加された「H5F型(1.2L直噴ターボ)&6速EDC(DCT)」ですが、”新しいモノには手を出さない”質のジブンもそれなりに納得できるシロモノかどうかの下調べくらいはしてみました。ただウチのつれあい的にはこの手のコトはちんぷんかんぷんなので説明をするのも実に鬱陶しい...のでここでもメカニカル解説なんかしません。

「デュアルクラッチ式トランスミッション(DCT)」に関して言えば、ホンダが採用したモノが度々リコールを出してまともに走らなかった事例や、VWのDSGなどデュアルクラッチを採用した外車勢でもマイナートラブルが発生しているとは良く聞きますから当然心配にはなります。

 

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ルノーがデュアルクラッチ式トランスミッション “EDC”の開発を発表したのは2010年で、当初はディーゼルエンジン“dCi110”との組み合わせでメガーヌへ搭載されました。その後ターボガソリンエンジンのスポーツ車に使われるまでに拡大して来て既に5年の実績があります。

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Getrag Powershift 6DCT250

ルノーのデュアルクラッチ式トランスミッションの供給元はゲトラグ社で「Powershift 6DCT250」というモデルに、Luk社製乾式クラッチとの組み合わせで、"EDC"はルノーが変速プログラムを開発していると言われています。(Renault and Ford Destined Dual Clutch Transmission Enters Production)このミッションを使っているフォード・フィエスタには結構なトラブル報告があるし、ルノー・ルーテシアでも使われ方によってはギクシャク動作の報告もあります。

DCTの構造的な問題とも言えますが、渋滞路など低速域での加減速は苦手なようで、もたつきや変速ショックを消し去るのはプログラムマネージメントの改良だけでは難しいとされており、最近BMW等の高級車では不評らしくマイチェン時には多段トルコンATに変更する車種も出ています。

ダイレクト感に勝るDCTがスポーツ車に採用される一方、やがりスムースさではトルコン多段ATに軍配が挙がる現状です。

 

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2016年(今年)投入予定のHONDA-アキュラILX
トルクコンバーター付き8速DCTを初搭載する

2014年ホンダはDCTの低速域でのドライバビリティー改善を目論んだ「トルクコンバーター付き8速DCT(本田技術研究所 論文)」を発表しました。同時に2016年(今年)にはアキュラILXに搭載してリリースすることも発表しています。

ルノー・カングーには選択肢が2つあると言っても、今更20年選手のK4MエンジンにDP0-トルコン4速ATの組み合わせを選ぶのは興ざめですから、新型ターボエンジンに組み合わされる”EDC”の更なる改良・熟成を願うばかりです。