NAG vs レデューサー〜カングーのクランク内圧制御バルブ〜いまだ妄想の世界の住人ですが...

以前にお伝えした Blue Cafe MotorCycle Racingさんの「NAGバルブ」懐具合や優先事項にあてられ未だに実現していません。そんなこんなしてる間にCINQさんからレデューサーがリリースされています。

どちらもピストンの往復運動で生じるクランク内での脈動圧を抑えて「ポンピング・ロス」を無くす効果を狙ったワンウェイバルブ。ただし構造的にはかなり違うしバイクでの装着事例を見ると効果にも微妙な差があるようです。

NAGバルブ
Blue Cafe MotorCycle Racing
ルノー京都
Reducer
CINQ
マルカワエンジニアリング

構造的には、NAGバルブが浮遊バルブの移動でクランク圧をワンウェイで外気放出するのに対して、レデューサーは2ストバイクで馴染み深いリードバルブという構造自体でワンウェイ動作させています。

バルブを移動動作させるNAGでは、クランク内の水分由来のエマルション対策を施す必要があると言われていますが、レデューサーでは構造上影響を受けにくいはずです。またNAGバルブの場合、バルブ開閉動作があるのが前提なのでレデューサーの方がより効率的にワンウェイでクランク圧力を外気放出してくれるような気がします。

しかしながらです、上下動するクランクシャフトはクランク内圧力を脈動させているわけですから、一方通行に圧力を抜き出すレデューサーでは一時的にもクランク内が負圧化する(もしくは過負圧化する)可能性も想像できるわけです。250cc単気筒バイクの事例で実際に装着比較された方がいました。そういう意味でNAGバルブはクランク内圧の”適正化”、レデューサーは”積極的な負圧化”に向かった性格のモノなんでしょう。

ただ実際にカングーを運転するシチュエーションを考えると、比べるべきは高回転・高負荷時のエンジン挙動云々よりも、現実的な低中速回転域でのドライバビリティーにこれらがどれくらい寄与してくれるかが焦点になるべきなんでしょうねぇ...いやはやいまだ妄想の世界の住人です。